スパイスって言葉はよく耳にしますが、「実際スパイスってなんのこと?」と思ったことはありませんか?そこで今回はスパイスについて分かり易くまとめてみました。」この機会にスパイスについての理解を深めましょう。
スパイスと香辛料って何が違うの?
スパイスとは
スパイスとは香辛料の一種です。香辛料というカテゴリーの中にスパイス、ハーブと枝分かれしているイメージです。それでは香辛料、スパイス、ハーブについてそれぞれ解説しますね。
香辛料とは
香辛料とは、食材に香り、色、辛みなどを加える植物の果実、花、葉、茎、種、根を使った調味料のことです。国や地域によって若干定義やニュアンスが異なる場合もあります。
香辛料の中で、主に花、葉、茎を原料としたものがハーブと呼ばれています。代表的なハーブに、バジル、ローズマリー、ローリエ、ミント、タイムなどがあります。すっきりと清々しい香りのものが多く、パスタやピザなどのイタリア料理の他、アロマオイルなどにも使われています。気分転換やリラックスさせてくれる効果が期待できます。
香辛料の中でハーブの原料(花、葉、茎)を抜いたもの、つまり主に種、根を原料としたものをスパイスといいます。日本でいうと七味やわさびなどもスパイスにあたります。
図にすると以下のようになります。
スパイスの形状について
ホールスパイス(シードスパイス)
ホールスパイス(シードスパイス)とは、種や茎などをそのまま使ったスパイスです。ホールスパイスを使うことで、そのスパイス固有の特性を最大限に活用できます。
パウダースパイス
パウダースパイスとは、種などのホールスパイスをすり潰して粉末状にしたものです。料理に馴染みやすく、ホールスパイスよりも使いやすい反面、個性が消えやすい特徴があります。
なんとなくイメージできたでしょうか。次にスパイスの種類について触れます。スパイスの種類は、350から500種類もあると言われ、インド、エジプト、日本と世界各国で多種多様のスパイスが存在します。その中でも比較的メジャーなものをご紹介します。
有名なスパイスをピックアップ
今回紹介するピックアップしたスパイスは8種類です。それぞれ香りや効能が異なりますが、健康維持や促進効果があることが共通しています。それでは8種類の特性を確認していきましょう。
① ターメリック
生姜の仲間で日本ではウコンと呼ばれています。ウコンの根を乾燥させて粉末状にしたものです。色付けに使用されることが多く、衣類などの染料としても使用されています。
- 胃の働きを活性化させて食欲増進、消化を促進する作用
- 胆汁の分泌を促し、脂質分解をスムーズにする
- 抗酸化作用、保湿作用で美容効果が期待できる
- 抗炎症、殺菌、止血作用があり、直接傷口に使用する地域もあるほど
カレー、ターメリックライス、ウコン茶
② チリペッパー(別名 カイエンペッパー、レッドペッパー)
唐辛子のみを使用したものをいい、その名のとおり辛みスパイスです。唐辛子にパプリカパウダーやガーリックなどを混ぜ合わせたものはチリパウダーと呼ばれ、名前は似ていますがまったく異なるスパイスです。
- カプサイシンによって体脂肪燃焼、代謝促進作用
- コレステロールを下げるなど生活習慣病の予防効果
- ビタミンが豊富に含まれており、美容効果が期待できる
カレー、ジャンバラヤ、フライドチキン
③ コリアンダー(別名 パクチー)
爽やかな香りが特徴的なパクチーの種です。粉末状にして使用されることが多く、カレーには欠かせないスパイスです。
- 抗酸化作用、ビタミンC、カルシウム、鉄分が多く含まれており、美容効果が期待される
- 血糖値を下げる作用があり、糖尿病の予防に効果あり
カレー、ビリヤニ
④ クミン
エジプト原産のスパイスでセリ科の種です。種をそのまま使うクミンシード、粉末にしたクミンパウダーの2種類の使い方があります。独特の苦味と爽やかな香りが特徴的です。
- 整腸作用
- 抗酸化作用(美容効果)
- 悪玉コレステロールを減らす効果があり、生活習慣病の予防が期待できる
カレー、サラダ、炒め物、揚げ物、漬物
⑤ カルダモン
ショウガ科の多年草で、緑色の皮の内側に黒っぽい種が10個程入っています。カルダモンは「スパイスの女王」と呼ばれています。清涼感のある香りと独特の苦味が特徴的です。
- 消化促進
- 口臭予防
- 発汗作用でダイエット効果
カレー、パン、コーヒー
⑥ クローブ
インドネシア原産のスパイスで熱帯性常緑樹のつぼみを乾燥させたものです。クレオパトラが愛したスパイスとして有名です。中世ヨーロッパでは魔除けとして使用されていました。独特な香りが強く肉のくさみを抑えます。かなり香りが強いのでホールで使用するときは、食べる前に取り除いたほうがいいです。
- 体内の冷えを改善する薬として使われるほどの胃腸を温める効果がある
- 鎮痛効果があり、正露丸にもクローブが使われている
ハンバーグ、ミートボール、焼き菓子、チャイ
⑦ マスタード
からし菜という植物の種を乾燥させたものです。実はマスタードそのものには辛みはありません。温水で練ることによってツンとする辛みが引き出されます。この性質を利用し練りからし、マスタードソースなどが作られています。
- 便秘解消
- 抗菌効果
- 抗癌作用
- 消化促進
- 利尿作用
カレー、カルパッチョ、漬物、ソース
⑧ わさび
水の綺麗な谷川の浅瀬に生えている多年生植物です。水温、水量、土壌、日差しなどの条件を満たしていなければ育たない日本固有種です。練りわさびなどは「加工わさび」で、西洋わさびや食塩、水などを加えて調整加工したものです。世に出回っているもののほとんどが加工わさびということです。裏を返せば根わさびがは貴重ということです。
- 抗虫作用(魚介類に繁殖するアニキサスの活動を弱める効果がある)
- 防カビ
- 消臭効果
- 高血圧予防、むくみ改善
- 血栓症予防
スパイスの効能について説明してきましたが、スパイスの過剰摂取は危険です。いくら健康に効果があるといっても摂り過ぎは逆効果です。特に妊婦の方は不正出血、流産、早産につながるため、ターメリック、コリアンダー、シナモン、ナツメグの摂取は控え目にして下さい。
このブログで紹介しているスパイスを使ったカレーを紹介
スパイスを使ったカレーを2品ご紹介します。ルーを使用したカレーと違って、小麦粉を使っていないためカロリーが低いこともポイントですよ。
チキンカレー
コリアンダー、チリペッパー、クミン、カルダモンを使ったチキンカレーです。具材は少ないですが、その分洗練されたカレーに仕上がっています。カレーペースト、トマトペーストを使用することで料理時間をかなり短縮できるレシピです。
カルダモンを効かせたキーマカレー
カルダモンを主人公にしたキーマカレーです。カルダモンを噛んだときに、口いっぱいに爽やかな香りがフワッと広がります。
2つスパイスカレーのレシピは以下の記事で紹介しています。
最後に
スパイスと聞くと、料理上級者が扱うものと敬遠されがちですが、実はそんなことまったくないんです。むしろ、誰でも簡単に扱えて、それでいて本格的な料理を作ることができるんです。この機会に是非、スパイスの世界に入り込んでみてはいかかがでしょうか。皆様の普段の料理が刺激的になりますように。
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