皆さんは日本酒を選ぶとき、何を見て決めていますか?商品名?産地?日本酒をお店で選ぶにしても、ネットで選ぶにしても、どんな日本酒かイメージできず迷ってしまう人も多いかと思います。この記事では、日本酒の基礎知識とラベルの見方をわかりやすく解説しています。
日本酒を選ぶとき、こんなことで悩んでいませんか?
- 吟醸と大吟醸の違いはなに?
- お米の品種で味は変わるの?
- 日本酒の製造方法で味は違う?
- 値段の違いってなに?やっぱり高い方が美味しい?
- 日本酒に賞味期限はあるの?
- おすすめの飲み方ってどこに書いてある?
- 生酒、生詰め、生貯蔵に違いはあるの?
など、迷ってなかなか選べないことがあるかと思います。
みんな何を見て日本酒を選んでいるの?
まずは日本酒の基礎知識を覚えましょう
日本酒を選ぶときに、迷ってしまう原因の1つは日本酒についての知識が足りていないからです。とは言ってもそんなに難しい話ではありません。日本酒とはどんなお酒なのでしょうか。順を追って見ていきましょう。
日本酒とは何か
日本酒とは、「米、米麹、水を原料に発酵してこしたもの」です。表記は「日本酒」又は「清酒」です。また、アルコール度数は22%未満と決められています。
日本酒には醸造アルコールを使用しているものと、まったく使用していないものがあります。この醸造アルコールを使用している割合によって名称が変わります。
私は醸造アルコールの風味が苦手なので、純米酒を選んでいます。
日本酒は、3段階に分けてじっくりと発酵させて造られます。そのため原酒はアルコール度数が約20%程と高いため、通常は水で薄めて販売されています。(原酒のまま販売されているものもあります)
日本酒の分類
先ほど醸造アルコールの割合によって日本酒の名称が変わると説明しました。ここでは日本酒の種類について見ていきます。
日本酒は大きく分けると、普通酒と特定名称酒の2つに分かれます。
普通酒
醸造アルコールの割合が11%以上のものや、添加物(甘味料など)を加えた日本酒です。日本酒の約7割がこの普通酒です。
特定名称酒
醸造アルコールの割合が10%以下で、更に麹米の割合が15%以上の日本酒は、特定名称を名乗ることができます。
上の写真は、特別純米酒出羽桜です。この特別純米酒というのが特定名称に当たります。
更に特定名称酒は、使用原料と精米歩合によって枝分かれします。
吟醸酒
米、米麹、醸造アルコールを原料に精米歩合60%以下
大吟醸酒
米、米麹、醸造アルコールを原料に精米歩合50%以下
純米酒
米、米麹を原料
純米吟醸酒
米、米麹を原料に精米歩合60%以下
純米大吟醸酒
米、米麹を原料に精米歩合50%以下
特別純米酒
米、米麹を原料に精米歩合60%以下、又は特別な醸造方法で製造
本醸造酒
米、米麹、醸造アルコールを原料に精米歩合70%以下
特別本醸造酒
米、米麹、醸造アルコールを原料に精米歩合70%以下、又は特別な醸造方法で製造
酒米とは?精度歩合?
酒米について
酒造りに使用するお米は、普段私たちが食べているお米ではないんです。
なんで?食べて美味しいお米で日本酒も造ればいいじゃん!
心白について
心白とは、お米の中心にある白濁色の芯のようなものです。
心白には、デンプンが多く含んでいて酒造りには必須なんです。この心白があるお米が酒造りに使用されるので酒米と呼ばれています。
酒米の品種
酒米の品種によって日本酒の味わいが違ってきます。
有名な酒米の品種は沢山ありますが、有名どころだと
- 山田錦 香りがよい
- 五百万石 淡麗
- 美山錦 クセがない
など酒米によって特徴が異なり、出来上がる日本酒も影響を受けるので、味を予想する上で重要ポイントの1つです。
精度歩合について
日本酒はお米を削って造られていますが、そもそもお米を削る理由はあるのでしょうか。
日本酒を造る際にお米を削る理由、それは雑味がなく香り高い日本酒を造るためです。お米の表面には、脂質、タンパク質、ナトリウム、ビタミンなどの栄養素が多く含まれています。しかし、この栄養素は旨みの要因になる反面、雑味や香りを乱す原因にもなるんです。そのため雑味が少なくクリアで、香り高い日本酒にするためにお米を削っているのです。
お米を削った割合のことを精米歩合と言います。例えば、精米歩合60%とは残っているお米が60%という意味です。つまり40%削ったということです。
勘違いされやすいのですが、精米歩合○%の数字が小さいほどお米を削っていて、精米歩合が高いと表現します。
精度歩合60%以下が吟醸、50%以下は大吟醸を名乗ることができます。
お米を削る作業は高い技術と手間が必要となるため、精米歩合が高くなる程日本酒の値段も高くなります。精米歩合が高い日本酒はその分美味しいです。ただし、精米歩合が低いと美味しくないというわけではありません。精米歩合が低い日本酒は、香りは抑え目でコクのある味わいが特徴です。
私は大吟醸派です。精米歩合45%以下にハズレなしと思っています!
生酒、生詰め、生貯蔵の違い
生酒、生詰め、生貯蔵はそれぞれ製造方法が異なります。
生酒 火入れをまったくしていないもの
生詰め 貯蔵前に1回火入れしたもの
生貯蔵 瓶詰め前に1回火入れしたもの
私は生酒が大好きです!微発泡の生酒もあるので楽しいですよ。
原酒とは?無濾過とは?
原酒とは、水で薄めていない日本酒です。アルコールが20%付近と高いのが特徴です。
無濾過とは、ろ過を行なっていない日本酒です。
無濾過生原酒というろ過も加熱処理も加水もしていない日本酒もあります。
賞味期限について
日本酒に賞味期限はありません。しかし目安はあります。通常の日本酒であれば1年くらいで、生酒であれば半年は美味しく飲むことができます。
日本酒のラベルの見方
ここからは日本酒のラベルに書いてあることを解説していきます。ラベルには日本酒の情報が沢山記載されています。その情報から日本酒の味をイメージできるようにしましょう。
表のラベルに記載されていること
日本酒の顔とも言える表ラベル。どのようなことが記載されているのか見ていきます。(商品や酒造によって書いてある内容、箇所が異なります)
特別純米酒出羽桜の場合
① 商品名
酒造や商品ごとに創意工夫されたデザインで書かれています。
② 特定名称
特定名称酒の基準を満たしている場合に表示することができます。
③ 日本酒
日本酒は酒税法では清酒と呼ばれていますが、どちらの記載でも問題ありません。
④ 容量
一升瓶は1,800mlです。
⑤ 製造時期
製造日とは出荷の状態になった日(瓶詰めした日)です。
⑥ 製造者名
製造した会社名と所在地が記載されています。
裏のラベルに記載されていること
次に裏のラベルに記載されていることを見てみましょう。
特別純米酒出羽桜の場合
① 特別な製造方法
特別純米酒のように「特別」と付ける場合には、その理由が記載されています。
② 精米歩合
特定名称酒は精米歩合が必ず記載されています。
③ 注意書き
飲用上の注意が書かれています。生酒だと「要冷蔵」というように保管方法についての記載もあります。
④ 原材料
使用量の多い順番で記載されます。
⑤ アルコール度数
日本酒のアルコール度数は22%以下でなければいけません。
よく見てほしいところは、精米歩合と原材料です!「精米歩合がどのくらい高いのか」と「使用されているお米は何か」をよく見てください。
原料米銘柄の記載は任意記載ですが、是非銘柄の記載の有無を確認して下さい。なぜかというと、お米の銘柄によっても味をイメージできるからです。
例えば
上の写真は、出羽桜純米大吟醸 一路の化粧箱の記載内容ではありますが、原料米に「山田錦」100%と書いてあります。
山田錦というお米の特徴は、香り高く、繊細な味わいです。この特徴が日本酒に反映されるので、出羽桜純米大吟醸 一路は、芳醇な香りと非常にきれいな味わいです。
このように原材料を知ることで、日本酒の味のイメージがつきやすくなるんです。
ちなみに、この出羽桜純米大吟醸 一路は値段はかなりお高いですが、ぶっとぶくらい美味しいです。
裏のラベルには酒造ごとの個性が表現されていることが多いんですよ。
まとめ ラベルから読み解く日本酒の味
日本酒の分類や用語について理解できたでしょうか?日本酒のラベルに書いてある①純米か否か ②酒米の品種 ③精米歩合 ④製造方法の4点から日本酒の味をある程度予想できます。
① 純米か否か
純米であればお米本来の風味が反映されやすく、お米の旨みの純度が高くなります。
醸造アルコールが含まれていれば、良くも悪くもお米以外の風味が加わっています。
② 酒米の品種
使用されている酒米の特徴が日本酒に味わいに反映されます。
例)山田錦→香りがよい 五百万石→淡麗 美山錦→クセがない
③ 精米歩合
お米の表面に含まれる脂質やタンパク質などの栄養素は、旨みの成分ではありますが、多すぎると雑味や香りを乱す原因になります。
よって、精米歩合が高いほど雑味が少なくクリアな味わいで、香り高い傾向があります。
反対に、精米歩合が低いとコクのある味わいで、香りは控えめな傾向です。
吟醸→精米歩合60%以下、大吟醸→精米歩合50%以下
④ 製造方法
製造方法によっても日本酒の味わいは異なります。
- 生酒 まったく火入れをしていないためフレッシュな味わい
- 原酒 水で薄めていないため高アルコール
- 無ろ過 ろ過による味の調整をしていない
以上の4つのポイントに注意して日本酒を選んでみて下さい!きっと今まで以上に日本酒選びが楽しくなるはずです!
オススメの日本酒
ラベルを見て味を予想できると言っても、まだ日本酒をあまり飲んだことがない人にとっては、いきなり味の予想は難しいかもしれないので、最後に私オススメの日本酒をご紹介します!値段も高過ぎず、あまり日本酒を飲み慣れていない人でも美味しく飲めるはずですよ!
オススメの日本酒その1 AKABU 純米吟醸 NEWBORN 720ml 1,760円
武者の兜がカッコいい岩手県の日本酒AKABUの生酒です。微発泡性があって美味しいですよ。
オススメの日本酒その2 山川光男 ふゆ 2024 720ml 1,980円
面白い名前と可愛いおじいさんのロゴの日本酒ですが、味は一級品です!山形県の日本酒です。
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