
どうも料理と日本酒大好き主婦まりりんです。
今回レビューする日本酒は、大七酒造の「大七 純米生酛」。
フルーティーな日本酒が多い福島県ですが、この日本酒は「昔ながらの日本酒」を貫く伝統と個性が光る銘柄。
実際に飲んだ感想に加え、ペアリングにおすすめの料理や生酛造りについても触れています。
福島県の名酒「大七酒造」とは?
大七酒造(だいしちしゅぞう)は、福島県二本松市に蔵を構える創業1752年の老舗酒蔵です。
江戸時代から続く伝統を守りながらも、革新的な技術と品質へのこだわりで、日本酒ファンから高く評価されています。
特に「生酛(きもと)造り」に特化した酒造りを行っており、生酛酒の第一人者とも言える存在です。
「大七 純米生酛」の特徴とは?

「大七 純米生酛」は、大七酒造の看板商品ともいえる一本で、伝統的な生酛造りによって生まれる力強い旨味と、キレのある酸味が絶妙に調和した日本酒です。
酒米には「五百万石」などを使用し、精米歩合は69%。この中途半端な数値にも、大七酒造の哲学が込められています。
見かけの数値ではなく、味わいに直結する“合理的な磨き”が施されています。
数々の賞を受賞し殿堂入りを果たした「大七 純米生酛は」は、燗酒の王に君臨していると言っても過言ではありません。
「生酛造り」とは?伝統の技術に込められた味の深み
生酛造りとは、江戸時代から続く日本酒の伝統的な酒母(しゅぼ)づくりの製法です。
自然の乳酸菌の力を活用して酒母を育てるため、手間も時間もかかります。
一般的な速醸系の製法と比べて、深いコクと酸味、そして熟成に耐える酒質を生み出すのが特徴です。
「大七 純米生酛」では、この生酛造りを徹底的に守り、さらに独自の熟練技術でより滑らかで味わい深い仕上がりを実現しています。
実際に飲んだ感想
常温の場合(20〜25℃)

香りは、昔ながらの日本酒という印象で、若干アルコール臭を感じました。
口当たりはなめらかで、旨みが先行して口に広がり、後を追うように軽快な酸味が引き締めてくれます。

辛味はほとんどなく、甘みと酸味のバランスがよくとれた中口です。
ぬる燗(40℃前後)

香りがかなり落ち着きます。
常温よりも口当たりのなめらかさが増し、まろやかなお米の旨みも更に広がるようになります。
冷酒ではあまり感じなかったコクが出てくるのがぬる燗以上の温度帯。
料理にもぐっと合わせやすくなります。

最も飲みやすいのがこの温度帯で、初めてこのお酒を飲むならぬる燗がおすすめ。
上燗・熱燗(45℃から50℃)
ぬる燗よりもさらに旨みを感じるようになる一方、酸味が弱くなる印象。
上燗・熱燗の温度帯では、常温やぬる燗では感じなかった辛味が顔を出しました。
おすすめの飲み方|ぬる燗〜熱燗で料理と合わせる
「大七 純米生酛」は温度帯によって表情を変える万能タイプ。
冷酒ではシャープな酸と切れの良い後味が際立ち、爽やかな食中酒として楽しめますが、おすすめはやはり燗酒。
ぬる燗〜熱燗(40〜50℃)に温めると、旨味がふくらみ、まろやかで心地よいコクが感じられます。
特に寒い季節や、濃い味の料理と合わせる際には燗酒がおすすめです。
料理とのペアリング|和食を引き立てる生酛の力
生酛造りの持つしっかりとした酸味と旨味は、様々な料理との相性が抜群です。
特におすすめなのは以下のようなメニューです。
- 鯖の味噌煮:脂と甘辛い味付けを酸味が引き締める
- 豚の角煮:濃厚な旨味に負けず、全体を調和させる
- きのこの炊き込みご飯:秋の香りと酒の旨味がマッチ
- 味噌系鍋料理:燗酒にすると味噌のコクと溶け合う

洋食とのペアリングも意外と相性が良く、ブルーチーズやクリーム系のソースとも好相性です。
まとめ|「大七 純米生酛」は伝統の技が光る本格派日本酒
「大七 純米生酛」は、飲めば飲むほど味の奥行きを感じられる一本です。
日々の食事と楽しむのはもちろん、特別な日の晩酌にもぴったり。
伝統的な製法「生酛造り」を守り続ける大七酒造の情熱が、一本の酒に詰まっています。
まだ飲んだことのない方は、ぜひ一度この力強くも繊細な味わいを体験してみてください。
日本酒の奥深さにきっと魅了されるはずです。